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POLJOT Valjoux23 / ロシア製クロノグラフ [時計]

20年ほど前、俄か腕時計マニアになった時期があります。


主流のクォーツではなく、ゼンマイと歯車で動く
機械式時計です。


数年間で、日本製・スイス製・ドイツ製など、
数十本に増えていました。


そんな中で、ロシア製の腕時計に面白そうなモノを見つけ、
数本手にしてみました。


POLJOT(パリョート) という会社で、調べてみると、前身は
旧ソ連邦の「モスクワ第一時計製造公社」とのことでした。


今世紀の初めまで、1000本単位の限定品を、クロノグラフ
アラーム、シンプルな三針など、クライアントの要望を
取り入れながら受注生産していたようです。

003.JPG

搭載されているムーブメントは、POLJOT 3133 という、
かなり "高級" なものでした。


スイスの Valjoux 23 という古典的な有名クロノグラフ
キャリバーのフルコピーではないかと思うほど、構造が
そっくりでした。


クロノグラフの作動ボタンを押すと、カムを介して、
キャリングアームが積算計の歯車にスライドして接触、
フリーだった積算計にキャリングアームの歯車が噛み合って、
クロノグラフ秒針と分積算計が動き出すという仕掛けです。


アメリカの宇宙飛行士は、ミッションに於いて、オメガ社の
スピードマスター が支給されていました。


アポロ計画初期のころ、スピードマスターに搭載されていた
クロノグラフ・キャリバーは レマニア製で、先のバルジューと
近い関係にありました。


そして、ソ連邦の宇宙飛行士に支給されていたのが
POLJOT 3133 を搭載したクロノグラフだったのです。


当時、"シュトルマンスキー" というニックネームで呼ばれていた
その時計は、TBSアナで、ロシアのミッションで宇宙に飛び立った
秋山さんの腕にも巻かれていました。


久々にゼンマイを巻いてみましたが、精度も購入した当時と変わらず
シンプルで飽きのこないケース・文字盤のデザインも好きです。

キャリバー7S36 [時計]

機械式の5シリーズは、海外向け(主に中東)に
作られており、アラブ諸国ではとても人気がある
らしい。

なぜ機械式なのかというと、電池交換の必要が
ないから、ということなのだそうだ。
あちらではボタン電池は、ばかにならない値段
とか。

生産・組立はホンコンやシンガポールの工場で
行われているが、一部はパーツを日本まで運んで
組み上げて、Made in Japan としてアラブ諸国へ
出荷している。

彼の地では、"日本製"に絶大な信頼と羨望があり、
故に、Made in Japan の刻印は「葵の御紋」なの
だそうだ。

004.JPG

同じ機種で、海外製と日本製を持つが、どこが
違うのか比べてみると、外装(ケース)では日本製
の方がエッジが立ち、エッチングも深く立体感が
僅かに勝る。

キャリバーは海外製は21石の7s26、日本製は
23石の7s36が搭載されている。
ともに1/6sec.振動で、性能に差はない。

このキャリバー、基本設計は60年代の汎用機が
ルーツだと思われる。シンプルで頑強な作りだ。

所有する十数本の精度は、日差-3秒の個体から
+12秒の個体まで色々。
メーカーが、このキャリバーに求める許容範囲は
-25秒~+35秒くらいだったと思う。

さて、機械式のムーブメントも年数が経てば、調速機
周辺にオイル切れも起こすだろうし、オーバーホール
が必要になるだろう。

だが、オーバーホール代は、5シリーズ一本と同等
だろう。
オイルが切れたら次の5をどうぞ、と云うことかな。
タグ:7s26 / 7s36
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入学祝いはセイコー5だった [時計]

中学生になったとき、入学祝いに腕時計をいただいた。
私の世代だと、腕時計か万年筆が一般的だったと思う。

当時、カットクリスタル風防というものが流行っていたらしく、
9面体にカットされた風防に、エメラルドグリーンの文字盤、
日・英語切り替えの曜日と日付が表示されていた。

香箱のゼンマイはローターの回転を利用して巻く、所謂、
自動巻き。

よく、おとうさんたちがメトロノームの様に腕時計を持って
左右に振っている光景を目にした。

100gちょっとのセイコー5を左腕に着けて入学式に並ぶ。
その重さは違和感と心地よさが混在した、一歩、大人の
入口に立ったような、少し誇らしいような感覚だった。

002.JPG

曖昧な記憶なのだが、セイコー5の五つの機能という
説明が取説に載っていたように思う。

1.防水 2.自動巻き 3.耐ショック 4.曜日 5.日付
だったと思うが定かではない。

まだ、クォーツ時計は普及しておらず、安価なクォーツ
時計が市場に出てくるのは、十数年後だ。

今世紀に入って少し経ったころ、ネットショッピングに
懐かしいセイコー5(スポーツ)の文字をみつけた。

思わず一本買ってしまった。面白くなって、その後
立て続けに十数本揃えたのだが、値は入学祝いで
いただいた頃と変わらないのではないか。

だが、工作精度は格段にアップしているのが判る。

標準装備のステンレススティール・ブレスレットは、
ほとんど革のストラップに換装している。

往々にしてストラップが時計の2倍以上の値になって
しまうほど、現行のセイコー5(スポーツ)は安価だが、
6振動のキャリバーで、秒針が1/6秒のステップで
運針する様子は、水晶発振子のクールな運針よりも
"生きて"いる温かさを感じる。
タグ:SEIKO-5 sports
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